道沿いにずらりと並んだ桜たちを、見上げるように通り過ぎる人たち。
休日ということもあり、家族連れやら友達同士、カップルなど沢山の人たちが桜の下を陣取っては、それぞれに花見を楽しんでいた。
その中でも、一際目立つアメリカ人を連れ、薙は気づかれないように小さく溜め息をつく。
先ほどから、チラリチラリとこちらを見ては、きゃっきゃと騒ぎ出している女子たちが、誰を見ているのかなんて一目瞭然だった。
(…桜撮るフリして、誰撮ってんだっての)
桜の花を撮ろうとしているはずのカメラの先には、恋人のケネスが桜を見上げている。
東京にいる頃は、そんなに気にならなかったこれらの視線が、ここ藤沢では外人出没度が一気に減るせいか、かなり見せ物状態になってしまう。たとえて言うなら、外国人が京都に行って、着物を着ている日本人を撮りたがるのと同じような感覚なのか。
(…ちょっと違うか?)
「薙、どうかしましたか?さっきからずっと黙り込んで」
「…別に、なんでもない」
「そうですか?外に出たくなかったって顔に書いてありますよ、本当に薙は『出不精』ですね」
出不精なのは認めるが、別に外に出るのが嫌いなわけじゃなくて、こうやってケネスを見せ物としてさらされるが嫌なだけなのだと、心の中で訴えてみる。
以前にも鎌倉を案内したことがあったりと、基本的に外に出るのが好きなケネスは、休みの日には何かと薙を連れまわしていた。
今度はずらりと桜が並ぶ場所での花見がしたい、ということだったのだが…。
「たまには外に出て気分転換も大切ですよ。どうせ平日は家に篭ってばかりでしょう」
「人をカビみたいに言うなよ。…そうじゃなくて、……ま、いいや」
「薙のクセ。言いかけておいて、途中で止めるのはどうかと思いますが?」
そう自分でも思っているけど、「ケネスが誰かに写真を撮られているのが嫌だ」なんて恥ずかしくていえるわけがない。だから心の中で呟いただけで、実際には言っていないというのに、ケネスの視線は言葉の続きを待っているのか、ずっと薙を見つめ続けている。
(…そんなにじっと見られたら、ますますいいづらくなるっつーの…)
「た、たいしたことじゃねぇしっ。あ、たこ焼きでも食おっかな…」
「薙、誤魔化さないでください」
「……うっ、……。…だから、写真…くない、から。…来たくなかった」
「え?」
小さな声で言った言葉は、花見を楽しむ人たちの声でかき消されてしまい、ケネスの耳まで届かなかったようだ。もう二度は言うものかと、前をスタスタと歩き出した薙の腕を取ると、ちょっと待っててくださいとその場を離れ、近くを通り過ぎた女性に声をかけると、また薙のところへ戻ってきた。
首を傾げる薙に、ケネスは人差し指を女性の方へ向ける。
(え?…なに?向こう?)
「ほら、笑ってください」
「え?」
「笑わないと、このままキスシーンショットにしますよ」
「はぁ?」
慌てて笑った顔は、間違いなくひきつった笑いになったに違いない。
ケネスは女性にお礼を言うと、持っていたデジカメを受取り、まだひきつった笑いを浮かべたままの薙に今撮れたばかりの写真を見せた。桜をバックにして撮った写真は、誰よりも幸せそうに笑みを浮かべるケネスと、慌てた薙の姿が写っている。
「私は薙と一緒に撮った写真しか、レンズに視線は送りません」
「…っ!知って…てっ」
「何がですか?…でも、妬いている薙というのも可愛らしいものですね」
「……信じらんねぇ…」
自分が写真を隠し撮りされていることも、それを見て薙が不機嫌になっていることも、初めから知っていたらしい。知っていて、わざと聞いてくるこの男をどうにかしてくれと思いながら、薙は綺麗な桜並木を足早に過ぎ去っていく。
「でも、人が撮られているのは気づくのに、どうして自分が撮られていることには、気づかないのか…」
「え?なんか言った?」
「いえ、黒髪が綺麗な日本人の薙には、桜がよく似合うって言っただけですよ」
「…なんだよ、それ」
相変わらずの気障ったらしいケネスの言葉に、薙の頬が薄ピンク色に染まっていくのがわかる。
恥ずかしさに口をつんと尖らせて歩けば、ちょっぴり腹黒い恋人の口元は楽しそうに笑みを浮かべて追いかけてくる。
そんな二人の頭上から、ヒラヒラと舞い散るピンク色の花びらが、フラワーシャワーのように優しく降り注いでいた。
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お花見のシーズンです(笑)
という、私も今日お花見をしてきましたぁ〜v桜が綺麗やったぁ〜vv
本当は夜桜の方が好きなんですが、近所の桜並木がライトアップされなくなってしまったため、夜に行くとただの肝試しになりそうな感じです(汗)←美咲写真日記参照。
ポカポカ陽気の中、お花見をしながら悶々と妄想にふけっていたわけですが(笑)、妄想仲間のS様から「ケネスに写真一緒に撮ってください!」をちょこっと齧らせていただきました(笑)
いや、撮ってくださいじゃなくて、この場合隠し撮りでしたけどね…(苦笑)あと思ったのは…結構腹黒い男、ケネス。薙にヤキモチ妬かせるために、わざと知らないフリも出来そうですよね、彼。(…)
この二人(というよりも、特に薙。)は、三角・四角関係のドロ沼昼メロ話が作りやすいんですが、こういったほのぼのぉ〜っとしているのも、たまにはいいものです(笑)
二人だけだと、普通に甘々カップルのはずが、ここにブルサウメンバーが合流して花見とかしちゃうと、一気に昼メロドラマになります(笑)なぜかしら?いやぁ〜、不思議だわvv←…。
そんな昼メロ大好きな私ですが、次回の5月イベントでどのカッポーにするか、どんな系の話にするか…まだ迷っています(汗)
この前は、大智×瀬里と和輝×笙惟だったしなぁ〜、やっぱり違うカッポーがいいかなぁ〜?とか。もう迷っている時間ないんですけどね(汗)
…あ、そういえば、5月イベントの詳細をお知らせするのを忘れました…。
次回の更新時にお知らせいたしますっ!!!(…その頃には、どのカッポーにするか決まってるといいなぁ〜・汗)